クリエイトバリュー中村宏      「弱者の情報戦略」

竹田ランチェスター経営「弱者の戦略」を実践するための「弱者の情報戦略」を考察します

職場の取り組み意識を高める「コミュニケーション」のコツ!

会社の情報セキュリティ活動には様々な活動がありますが、
それに取組む人間の心理状態が成果に大きく影響することは
誰が考えても容易にわかることです。


例えば職場の機密情報を棚卸して、
取り扱い方をイベントリストにまとめるという
典型的なリスクアセスメントの作業をするにしても

1)「仕事と関係ないことを強制的にやらされる」と受け止めるのと、

2)「組織の共通の目的のために自ら協力をする」と捉えて取り組むのでは、
天と地ほどの大きな違いがあります。


しかし現実の世界では、リーダーの立場にある多くの人が
「自分自身が納得していないのに下に指示をしないといけない」と
感じながら指示をしています。


先日も、ある会社の社長さんが、
「自分も納得できているわけではないけど、本社の指示だから・・・」と
このように話をしてくれたことがあります。


先日「やらされ感」の話をしましたが、
指示をする人自身が「やらされ感」を感じていると、
指示の出し方も、自然と相手にやらされ感を感じさせるものになります。
自分が納得できていないものを、人が納得できるように伝えることはできません。
そして、「やらされ感」が組織全体に感染してしまうのです。


最後には「情報セキュリティは仕事の制約であり必要悪なのだ」
という諦めにも似た共通の認識が組織の中に出来上がってしまいます。


これで本当に良いのでしょうか?
こんな状態で、情報セキュリティ活動の基本である
「自ら身の回りのリスクを監視する」ことなどできるのでしょうか?


「できないから厳しいルールを守らせるんだ」という声が聞こえてきそうですが、
それじゃますます動機づけを阻害して、
取り組み自体が形骸化してしまうのではないでしょうか?


もしも、
「ISMSやPMSの認証はとったけど、大量の書類を作るばかりで、
会社経営に役に立つことはあまりない」と、
このように感じている人がいたら、
あなたの組織のマネジメント活動はかなり危険な状態ではないでしょうか。


1.コミュニケーションに責任を持つ!


指示を伝えなければならない人は、
コミュニケーションに責任を持つべきです。
自分が納得出来ていないことを、納得できていない心理状態で伝えると、
「やらされている」という意識がメンバーに伝わり拡散していきます。


だから、自分が指示を受けた時に、
納得がいくまで通達・ルールの目的・狙い・職場での取組み方などについて
できるだけ具体的な説明を求めましょう。


一方で、職場のメンバーの心理的な抵抗を覚悟して
対策を立てておきましょう。


間違えても下記のような発言をしてはなりません。
1)「会社の指示だから(俺が悪いんじゃない)つべこべ言わすにとっととやれ!」
2)「俺も疑問に思うけど、会社の指示だからね。このくらいやっとけば良いよ」

このような発言はリーダーとして完全に失格です。
1)は内心「嫌だ」と思ってるあなたの気持が伝染して拡散してしまいます。
おまけにやりたくないことを自分たちに押し付けてきた、と思われます。

2)はあなたのやる気のなさが見えて、誰も本気に取組まなくなります。
「リーダーもああ言ってるから(真剣にやることない)」と誤解させます。


2.コミュニケーションの取り方


職場のメンバーが通達の目的や狙いを共有して、
全員で協力する空気を作り出すのが「リーダー」の務めです。
単なるメッセンジャーであってはなりません。
「上の言うことは伝えたから、後は各自の責任の問題だ」みたいな
考え方では、機密管理は絶対に上手く行きません。


重要なポイントは
「リーダーが仕事をしやすい環境を作ってやる」ことです。


リーダーがあの手この手でメンバーの仕事がしやすいように、
様々な骨折りをしてくれることに対して、
(内心は気が進まなくても)
メンバーはその気持ちに応えようとして動くのです。
リーダーの人間性に感じるものがあるから協力してくれるのです。


従って、機密管理活動は、「全員で同じ目標を達成するために
協働する活動だ」と捉えるべきです。


機密管理マインドBLD」の開発を思い立ったのは、
「メンバーの心理的抵抗感を和らげるためのコミュニケーション」を
学習していただこうとの思いがありました。


だから「徹底マスターQ&A集」には、
各職場のリーダー役の方々がコミュニケションを学習するための
様々な工夫をしています。


間違っても「俺も納得していないけど」などと言わずに、
どうしたらメンバーを前向きに動かせるかのかと、
超前向きに問題を捉えて、
この機密管理マインドBLDを活用していただければ、
多くのヒントがあることにお気づきいただけると思います。
「機密管理マインドBLD」ご紹介ムービー


ぜひ、組織のコミュニケーションを円滑に進めるための啓発教材としても
活用を検討していただきたいと考えています。


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クリエイトバリュー 代表 中村 宏