クリエイトバリュー中村宏      「弱者の情報戦略」

竹田ランチェスター経営「弱者の戦略」を実践するための「弱者の情報戦略」を考察します

「起革力」を持つリーダー育成

1.これからのリーダーシップの源泉

前回お話しの続きですが、これからの組織のリーダーシップの源泉は「起革力」ではないかと思います。

「起革力」は、「企画力」に更に「チームビルディング」と「プロジェクト管理」のスキルを加えたものと考えられます。つまりビジョナリー・プロジェクト・マネジメント(ビジョンの実現に向けてプロジェクトを組み推進する)と言える活動です。

これからの組織やチームのリーダーは、明確な「ビジョン(将来構想)」を持つべきです。近い将来、組織が何を目指して活動するのかというゴール・イメージを持つことが組織活動の求心力となります。

メンバーはリーダーのビジョンに魅力を感じて自律的に行動する、そのような組織作りを目指して行くべきだと思うのです。このようなリーダーの姿勢が、現在の世の中に閉塞感を感じている若い人に「夢」を与えることになるからです。

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もはや強いだけのリーダーシップでは、目先の業績は上げられても、中長期で見た人材を育てることは難しいのではないかと思います。リーダーの創造力と周囲への気づかいこそがリーダーシップの源泉であり、中長期の人材力の育成と、それによる組織力の強化につながってくるのではないでしょうか。


2.これからの人材育成

このような新しい時代のリーダー像は、チームへ「貢献する」意志と、そのための学習の力の習得が大変重要です。そういう意味で、次世代のリーダーの育成に関しては、採用時から1人ひとりの人物像を見据え、その社員の資質に合ったリーダー育成の仕方を考えて行かねばならないのではないでしょうか。

私が若い頃、新入社員への教育は集合教育と現場でのOJTという形で行なわれていました。仕事のやり方をマスターするという主旨が強かったように思います。もちろん仕事を覚えなければ新たな経験を通じて学習をすることはできませんから、まずは仕事を覚えさせることは当然です。

ただ、現在はそれに加えて、リーダーやトレーナーの姿を通じて「仕事の夢」というものを感じさせることができるかどうかが、決定的に重要な要素になりつつあります。

どういうことかと言うと、「1人ひとりの社員が己のミッションをこなす(分業)」ことがゴールではなく、「共通のビジョンを共有し、共有した目的を実現するために力を合わせる(統合⇒協業)」ことが仕事なのだ、と教えることです。

そのためには、「こんな職場をつくろう」とか「こんな仕事像を実現しよう」というビジョンを共有した仕事の環境を作り出すことが必要だと思います。つまり「起革力」が必要になるということです。


3.未来展望

話は変わって、明日は衆議院議員選挙です。「自分の一票が世の中を変える一票となるのだ」という思いは、「自分ががんばったら職場の環境は変わるのだ」と、将来に思いを馳せることと同じだと思います。

「生き生き社員」がたくさん生まれて、どんな職場よりも自分の努力が自己実現と皆への貢献につながり、感謝され信頼されることを1人ひとりが実感できる職場を作りたいですね。


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