クリエイトバリュー中村宏      「弱者の情報戦略」

竹田ランチェスター経営「弱者の戦略」を実践するための「弱者の情報戦略」を考察します

「職場の活力につながる情報管理の進め方」

今日は、情報管理へのモチベーションを高めるための
工夫についてお話しさせていただきます。


但し、情報の管理体制をもっと強化すべきだと言うような
内容ではありません。


全員参加の活動を通じて、職場の活力につなげるため
各職場で日常的に実践していただきたい取組みに関するお話しです。


ポイントはメンバーが「達成感」や「充実感」を感じることで、
「取り組んで良かった」と感じられるようにすることです。


1.取組み方を検討する視点


例えば、リスクアセスメントなどを通じて身近なリスクに気付いたら、
次に「何をすべきか」を検討することになりますが・・・


「あれをすべきだ」とか、「これは禁止行為だ」と言うように
直接の問題行動に対する注意をルール化するだけではなく、
組織活動を活性化させる視点から以下の事を考えてください。


2.基本的な取り組みを徹底するための工夫


例えば、機密情報を社外へ持ち出す際に、
上司の許可を得ることが決められていた場合、

上司が不在(帰宅、外出などで)で、
通常の許可が出来ない場合などの処理を決めておく。


キャビネットなどへの書類の保管が義務付けられている場合、
キャビネットが満杯になった場合の処置を決めておく、などです。


これまでの情報漏洩事件の多くが、
例外的な処置を行う場合に起こっています。


建前だけの原則論だけでは取組みはザルになってしまうので
どんな場合も例外を作らずに済む方法を決めておきましょう。


3.異常に気付くための工夫


自分の行動や、他のメンバーの行動を見て、
「あ、これ危ないんじゃ?」と気付くことがリスク管理では重要です。

例えば、職場に設置してある廃棄BOXに、
「ここに捨てられるものは、○○と□□だけです」と掲示する取り組み。


机の上にプラスチックの小さな箱を置き、
プリント出力をするたびに、色分けしたプラスチックプレートを入れて、
プレートを見て印刷物の回収モレを防止する取り組み、などです。


「管理すべきものを目に見えるようにする」ことで、
注意や関心を払う行動を徹底することが目的です。


4.職場力を高める工夫


各個人が気を付ければ良い=個人の自覚の問題、などと割り切るのは論外です。
そのような建前だけの精神論では何も実現できないばかりか、
ルールは確実に形骸化します。


改善すべきものは個人の心構えではなく、
そのような心理的な問題を引き起こした職場の環境です。


日常の業務で気付いた危険行為や、業務の問題点など、
あるいは他社や他部門での情報漏洩事件や取り組み事例を
グループMTGで話し合って課題認識を共有することが必要です。


(数分程度の少ない時間で十分です)


情報管理は個人ではなく職場全体で取り組むものです。
全員参加で取組む活動であることを忘れないようにするため、
できるだけ、職場のメンバーと話し合う機会を持ち、
職場内の仕事の手順で改善すべきものを見い出しましょう。


5.業務を改善・改革するする視点


例えば、社外への「持ち出し」管理を例に挙げると、
業務の流れを徹底的に精査し、4S的な視点で整理整頓し
社外への持ち出しをしなくて済む方法を取るようにすれば、
機密管理のための管理を減らすことが可能です。


「力づくで」情報を守るという視点だけではなく、
より仕事がしやすい職場を作ること、
それも全員での話し合いを通じて作ることがポイントです。


6.まとめ

以上のように職場の知恵を総動員して様々な工夫をする活動を
是非進めて見てください。


自分の提案に周囲が耳を傾けてくれ、
実現に向けて力を貸してくれるとメンバーの達成感につながります。


1日数分のわずかな時間で構いません。
隣にいるメンバーとの話し合いを意識して実行してください。


このような周囲との関わり合いが、職場の中に活気を生み出します。
各々のメンバーの持つ知恵を活用する活動が生まれて来ます。


「機密管理リスクMGR」には、機密情報を守るだけではなく、
組織活動の活性化のための工夫が組み込まれています。


機密管理リスクMGR


機密管理、情報セキュリティ対策、個人情報保護など様々な言い方がありますが、
経営の視点から見れば、組織が活性化し、
組織の総合力で大切な情報が守れることがベストな取り組みのはずです。


目先の情報管理のみならず、
大きな観点から「情報の積極的な活用に向けた組織活動」に向けて、
職場の全員参加で取組んでいただきたいと思います。


クリエイトバリュー 代表 中村 宏