クリエイトバリュー中村宏      「弱者の情報戦略」

竹田ランチェスター経営「弱者の戦略」を実践するための「弱者の情報戦略」を考察します

組織に「コラボレーション(協働)」の仕組みを作る」

1.普段の日常の行動こそが最も基本

昨日、ある会社を訪問した際の出来事です。


経営者である社長さんとの面接が終わり、1階のフロアに下りたところで
その会社の職員さんの1人と出会ったのですが、
その職員さん、私に気付いたのに「こんにちは」とは挨拶をしなかったのです。
社長といっしょに歩いているのだから、すぐにお客様と判るはずですが・・・。


さらに、この訪問の時に忘れ物したので、数日後に受け取りに行ったのですが、
私が出てきた職員さんに「こんにちは」と大きな声で挨拶をしたのに、
その職員さんは「どうぞ」と忘れ物を差し出すだけで、
ついに「こんにちは」という挨拶を返してくれることはありませんでした。


数日前の社長さんとの面接では、「わが社はチームワークは万全だよ」と、
社長さんが自信ありげにおっしゃっていたのですが、?という気持ちになりました。
日常、職場の中でできていないことが、社外の人間に対してできるわけがありません。


職員がきちんと挨拶さえできない会社にチームワークが出来るはずはないと思います。



2.コラボレーション(協働)とは?

社内にコラボ(協働)の仕組みを作りましょう、というと、
「仕事の仕組みで協力体制も必要な情報交換もできてるよ」という経営者や管理職がいます。
こういう方は「協働」と「分業」の違いを良く理解されていないのでは、と思います。


1つの仕事をチームのメンバーで手分けして取り組むレベルが「分業」です。
組織で仕事をするのですから「分業」は当たり前ですね。
もちろん「分業」にもコミュニケーションが必要です。


では、各自の「分業」の成果を取りまとめ、お客様に納品し、お金をいただければ、
仕事はそれで終わりでしょうか?
これで「協働」していると言えるのでしょうか?


ここで仕事のプロセスを振り返り改善する視点で見て行きましょう。


納品した成果物は、お客様の満足を満たすことができていたのでしょうか?
お客様の期待以上だったのか、あるいは期待水準ギリギリだったのか。
評価をして振り返りをしないと、次の仕事はいただけないかもしれません。


では、期待水準以上のものができた、とお客様から感謝された時、
お客様の満足につながった要因は何かを特定しているのでしょうか?


あるいは、こんなものか、とお客様から苦い感想やクレームを受けた時、
仕事のプロセスのどこに問題があったのかを全員で考えているのでしょうか?


このように
1.仕事の成果をお客様の視点できちんと評価をし、
2.成功した要因や失敗の原因となった問題を明らかにして、
3.それをチーム全員で共有し分かちあうこと、
4.それを仕事の中に取り入れて改善を行うこと


これが私がここで説明している「協働」のプロセスです。



3.コラボレーション(協働)の仕組みを作るには?

協働するには、
1.自分自身の姿を鏡に映して、
2.成功の要因や改善につながる要因を探し、
3.関係するメンバー全員で共有して対処する仕組み


を仕事に取り入れることです。
そのために必要な情報を共有し、メンバーが対話する場を設けることが必要です。


そしてこれが最も大切なことですが、
「メンバーを対話の場に巻き込む」が出来なくてはなりません。
自分とは関係がない、と思わせてはなりません。


これは職場のリーダーにとって非常に重要な仕事になります。
場を活用してメンバーの関わり合いを促進しつつ「協働の成功体験」を作るのです。


「協働の成功体験」は各々のメンバーの自己実現へ向けた強い動機につながります。
各メンバーの暗黙値である知恵や経験を拡充させます。
さらに各々のメンバーの関わり合いによって「場の価値」はさらに大きくなり、
形式値として組織で活用できるものが生まれるプラスのスパイラルが生まれます。


このように「協働の場」を活用して「成功体験を積む」ことにより、
個人の自己実現と組織目標とのマッチングを同時に図っていくこと、


このことをクリエイトバリューの組織づくりでは目指したいと思います。


クリエイトバリュー 中村